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デザイナー紹介

RED LABEL DESIGN FACTORY 広瀬 崇史氏

より快適で、より価値の高い空間を創り上げる

大手企業でさまざまな物件に携わってきた広瀬氏は、その幅広い経験から、ジャンルにこだわりなく、洗練された空間を生み出し続けている。完成の先にある、その後のライフスタイルまで想いをめぐらせる繊細な提案には、方向性を見据えた仕事への取り組み姿勢が明確に感じられる。

RED LABEL DESIGN FACTORY 広瀬 崇史氏

広瀬 崇史Hirose Takashi

千葉大学大学院デザイン科学修士課程修了し、 株式会社丹青社 デザイン部に勤務
その後、セボン株式会社企画開発部、のち デザインラボに勤務
2006年「RED LABEL DESIGN FACTORY」設立

最初に、広瀬さんのこれまでの実績や得意な業態、強みの部分についてお伺いしたいと思います。

広瀬:新卒で丹青社に入り、博物館、水族館などの文化系空間を中心に、5年間の在籍中に約20件のプロジェクトに携わりました。そこでは民間の仕事は少なく、国や県からの公共の仕事がメインでした。 転職して次に入ったセボンという不動産会社では、住宅、ホテル、オフィスを手がけました。ここにも5年間在籍して、約100件のプロジェクトに関わっています。 3年前に独立してからは、住宅、オフィス、店舗、ホテル空間をはじめとして、建築からインテリア、プロダクト、グラフィックにいたるデザインに関すること全てを手掛けています。あらゆるジャンルに取り組み、ちょうど今も住宅と店舗、オフィス、ロゴマークデザインを並行して進めているところで、得意業態を決めずに何でも出来るというところが強みかと思います。

幅広い実績ですね。その中であえて好きなジャンルといったらいかがですか。

広瀬:最近自分がやっていて特に楽しいのは住宅のリフォームですね。引越した後でも、お客様と長いお付き合いが出来ますし、何と言っても「ご自宅」ですので、とても喜んで頂けて、やりがいを感じます。

デザインするときに大事にしていることは何ですか。

広瀬:コンセプトとして謳う中に、フォルム(形状)、マテリアル(素材)、カラー、ライティングの4つを平行して考え、それらがバランス良くなるようにすることを挙げています。この中のどれか一つ欠けても、「空間」の印象が全く変わってしまいますからね。常に組合せを考えながらデザインを進めます。

マテリアルについて、広瀬さんが好きなテイストはありますか。

広瀬:横浜の山下眼鏡店は、まさに自分が好きな空間を具現化したデザインです。黒と赤を基調とし、自分がお店をやるとしても、同じような雰囲気にしたいですね。

仕事を進める中で、注意している点はありますか。

広瀬:常に考えているのは、デザインを押し付けないということです。以前、ナチュラルテイストのデザインを希望しているお客様から「テイストが違うからお願い出来ませんよね。」と言われたことがありますが、全くそんなことはありません。デザインに関してのアドバイスはしますが、クライアントの好みやご要望を尊重し、お互いの信頼関係を築きながら空間を創造します。

打ち合わせについて、気をつけているのはどんなことですか。

広瀬:物件が進行するまでは、なるべく週に一回はクライアントと会って、何かしらの進捗を伝えるようにしています。メールでも頻繁に連絡して、実際にどういう進め方をしているのか、不安にならないように気を付けています。

コスト対する考え方はいかがでしょうか。

広瀬:最大のコストパフォーマンス(費用対効果)を考えることもデザイナーにとって重要な仕事なので、コストに合わせた素材や商品を選定するようにしています。最初は安い素材でご提案したところ、金額は気にせずに上質なものを使って構わないと言われたケースもあります。お客様がどのように考えるかということが大事ですね。

デザインフィーはどのようにされていますか。

広瀬:全体工事費を基準とした割合で設定しています。

これまでに手がけた中で、特に印象に残っている仕事はありますか。

広瀬:新卒で入って初めての仕事だった、島根県のAQUASという水族館です。上司がメインで担当していて、先輩と一緒に手伝ったのですが、今も時々テレビで見ると懐かしく感じますね。とても大きい現場で、施工担当者は竣工前の半年は島根に泊まり込み、私たち設計は週1回ペースで確認に行き、最後の1ヶ月は常駐していました。大変でしたけど、やりがいがあって楽しかったですね。建築側と打合せをして照明計画を考えたり、水槽の岩の形や色を決めたり、私は主にグラフィックを担当して、魚の説明板などを作りました。なかなか出来ない貴重な経験だったと思います。

先ほどテイスト的には少しお話いただきましたが、経営したいお店のイメージはありますか。

広瀬:実際に考えているのですが、オフィス兼カフェ兼インテリアショップのようなものを造りたいと思っています。物を売っているカフェは良くありますが、そこにデザイン事務所がついているという感じです。 見た目はショールームみたいだけど、カフェとして普通にお客様を入れて、一部ではスタッフがデザインしたり、不動産の相談を受けたりというような。インテリアはうちで作ったものだけではなく、仕入れも必要と思っていますが、まずはWEBショップから始めたいですね。やりたい事が多く、今はその順番を考えています。

広瀬さんが訪れた店舗で、気に入った空間の店はありますか。

広瀬:居心地がいいということでは、六本木ヒルズ2階の「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」というフランス料理店です。黒と赤の組合せが素敵ですね。

尊敬している方や、目標とするデザイナーはいらっしゃいますか。

広瀬:孫正義さんです。NTTのような既得権益に立ち向かう姿勢に共感しています。建物としては、有楽町の国際フォーラムです。ラファエル・ヴィニオリという人の設計ですが、構造などを見ると綺麗だなと思いますね。

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