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デザイナー紹介

KAMITOPEN 吉田 昌弘氏

コンセプトを突き詰め形にする。

あらゆるジャンルの取り組みで、数多くの経験を持つ吉田氏。美容室においては、150件にも及ぶ圧倒的な実績を持ち、さまざまな専門誌で紹介されている。何気ない語り口の中に、ゆるぎない思いを感じさせる、その一貫した取り組み姿勢についてお話をうかがった。

KAMITOPEN 吉田 昌弘氏

吉田 昌弘Yoshida  Masahiro

2001年 京都工芸繊維大学工芸学部(岸和郎ゼミ)卒業
2007年 KAMITOPEN 設立
2008年 株式会社KAMITOPEN一級建築士事務所設立

店舗デザインご提案.com(以下「店舗」):これまでの実績、よく手がけている業態や得意分野について教えてください。

吉田:美容室、クリニック、カフェです。

明快ですね。その3つを選ばれる理由はなんでしょうか。

吉田:ジャンルとしては、飲食店、バーとかレストランとか、アパレル、物販、住宅まで、すべてさせて頂いておりますが、この3つが、ずば抜けて施工実績が多いからです。独立前に「美と健康」をテーマにしているグループ会社にいたことで、特に美容室の実績は多いですね。

数としてはどのくらいですか。

吉田:150件ぐらいです。

美容室だけで150件というのは、なかなかできない数ですね。

吉田:毎日必死に働いて、という数です。(笑)クリニックの方は、眼科や歯科、内科、整形外科から、オペ室まで手がけたことがあります。カフェは独立してから、知り合った抹茶専門店のオーナーさんが、月1件ずつのペースで出店されて、あっという間に数が増えました。

そういった方々に、選ばれる理由を聞いてみたことはありますか。

吉田:「ブランディングからやってもらえる」と言われたことはあります。デザインする前に、まず、どんなお店にしたいのか、何をやりたいのか、コンセプトをつめて持っていくところかな、と思います。

デザインする上で、コンセプトが重要と言うことですね。

ただ「かっこいいカフェを作りたい」だけでは、完成しても、お客様に伝わるものが弱いので、集客も難しくなると思います。最初にお客様と一緒に、お店のコンセプトを固めて、それを最後までぶれないように作り上げることを意識します。

デザインする上での、素材や導線などにこだわりはありますか。

吉田:そこは毎回求められることが違うので、特にありません。

先ほどからお話し頂いていることになるかもしれませんが、仕事の進め方について教えてください。

吉田:最初の打ち合せで、ヒアリングして、コンセプトづくりを始めます。すぐプランやCGをお持ちしないので、その点はお話しさせて頂きます。とにかく話し合いの機会を作りたいので、期間がないときは、1週間に何回も会わなくてはいけないということもあります。 そうして作り上げたコンセプトをお持ちするんですが、決まるまでまた何度も作り変える、ということになります。そして、ようやくコンセプトが固まって、このコンセプトを形にするなら、平面図ではこうなりますね、空間ではこうなりますね、という提案をさせて頂き、お店の骨格を作っていきます。最終的には現物サンプルをよく作ったりしますね。

コストコントロールについてはどのようにしていますか。

吉田:これまでかなりの物件数をこなしてきている経験から、何をやったらいくらかかるか把握しているので、大幅に予算が違ってしまうことはないと思います。コストを落とさなければならない場合には、コンセプトをつめているところが効いていて、コンセプトのまわりについている余分なところを削っていくんですね。日本刀を磨くような感じで、最後にコンセプトの核が際立っていくので、質が下がったり、ぶれたり、ということにはならないわけです。

今までの仕事で印象に残っているものはなんですか。

吉田:泣いて喜んで頂いたことですね。親子三代続いてきた古い床屋さんで、息子さんに譲るために、全財産つぎ込んでの依頼を受けました。完成したとき、泣きながら「ありがとう」と言われたときは「ヤバイ」(笑)と思いました。

吉田さんご自身がお店を経営する、もしくはお客様にご要望がなくて、ゼロからデザインするなら、どのようなお店にしたいですか。

吉田:経営はしないです。(笑)お客様の希望がはっきりしないものも、やってはいけないですよね。特別好きなデザインはない、とおっしゃっていても、話していくと、映画とか食べ物などから、好きなデザインは必ず出てきますから。それを引き出して進めることが大切だと思います。

吉田さんが訪れて、気に入っているお店はありますか。

吉田:東京タワーの下にあるレストランです。

そこの何が良いんですか。

吉田:従業員の人柄が。(笑)

人柄ですか。(笑) デザインではなくて。

吉田:内装が良いだけでは、好きなお店にはならないです。

尊敬するデザイナー、建築家はいますか。

吉田:建築家の岸和郎氏です。

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