お店の見方が変わる!つくり手目線で見る店舗デザイン

リンツ ショコラ カフェ 銀座店

視覚でチョコレート

今回はリンツのチョコレートの世界を”五感で味わう”というコンセプトをいかに表現しているか視察です。まず店舗正面入り口から入ると、左手にチョコレートが購買できるショップ・右手にカフェという構成の店内が見渡せます。美味しいチョコレートを、時間が無い時には気軽に立ち寄って愉しみ、時間に余裕がある時にはカフェでしか味わえないチョコレートをふんだんに使用したケーキやドリンクをじっくりと味わえるような設計ですね。

“五感で味わう”の“視覚”について視察してみると、<ショップにある様々なチョコレートを観て楽しむ>という事、<カフェで実際のチョコレートドリンクやチョコレートケーキを観て楽しむ>という事(ドリンクにもチョコレートがとけるイラストのような細工がされていた)、さらには内装にもチョコレートの要素を取り入れ、一歩店内へ入ればたちまちリンツショコラワールドに引き込まれてしまうような世界観を創りあげています。

カラーコーディネート

つくり手目線…という事で、内装のチョコレート要素についてもう少し触れると、要素の大部分は素材の色使いです。選ぶ家具・天井のペイント・照明の色。カタチに触れると写真の左側にある照明はトリュフのイメージでしょうか?

基本色では、茶系・白系が色構成の中心ですが、チョコレートでも〝大人が美味しく頂くスイーツ" を意識し、ゴールド色を要所で使用しています。1つ目が写真右側の浮き出している店内ロゴ(カルプ文字の素材でしょう)、2つ目が店内の入口の窓枠・サッシ枠もゴールドです。

こだわりが見えた家具

やはり老舗のブランドという事もあり、クラシカルな内装や高級感のあるデザイン・色使いを基本としています。こだわりが見えたのは、カフェの机がありますが、机の目が揃うようになっていた所です(左上の図)。これは同じ1枚の突板から机を造っていて、色合いや木目の統一感を出すのに役立ちます。もし手作り感やあえて混沌としたイメージを打ち出したい時には別の突板から作った机が良いかもしれませんが、今回のリンツさんの場合はブランドイメージにしっくりとくるように1枚の突板から作っているのではないでしょうか。

また、右下の図は白い柔らかいソファですが、頭の部分が当たるのは下から2段目程度までです。しかしあえて天井までソファ部分を伸ばし、お菓子の家のような女性の好むデザインに仕上がっています。

総評

内装としては特殊な事はあまりしておりません。しかしながら、巧みな色使いと家具1つ1つのこだわりや、提供する商品へのこだわりが見事融合したことにより、リンツさんが目指している “五感で味わう”というコンセプトを実現しているのではないでしょうか。

幸せなチョコレートの甘い香りにつつまれながら我々も時間を忘れてしまいました。

LINDT & SPRUNGLI JAPAN (リンツ&シュプルングリージャパン株式会社)

■リンツ ショコラ カフェ 銀座店

東京都中央区銀座7-6-12
TEL 03-5537-3777
営業時間 平日11時~21時
土・日・祝11時~20時

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