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デザイナー紹介

第2回 V.A.S 濵野 将一氏

ブランディングを踏まえ、理想の先を行く空間をご提案します

空間のブランディングから携わるvou.archi-style Design Office(ボウ・アーキスタイルデザインオフィス)。そのポリシーは、「お客様の半歩先を行くご提案をすること」。空間デザインだけでなく販促物の制作までトータルに考えたり、完成をイメージしやすいCG・ムービーを作成したりと、お客様が求めるその先を見据え、誠実に進められる店舗デザインについて、建築家の濵野氏にお話をうかがった

第2回 V.A.S 濵野 将一氏

濵野 将一Hamano Mazakazu

vou.archi-style Design Office(ボウ・アーキスタイルデザインオフィス)
東京都町田市

まず、vou.archi-style Design Officeの実績を教えてください。また得意とする分野や強みについてもお願いします。

濵野:実績としてのメインは住宅設計です。店舗は以前から手がけていますが、ここ2年ほど前から多くなり始め、「ブランディングをどうするか」「どんな層をターゲットにするか」など、設計の前段階からご相談されることが多く、クライアント様の業種も多種多様なので、お問い合わせの内容によって、幅広く対応しています。

今回は店舗デザインについてお伺いしたいのですが、特に多い業態や職種というのはありますか。

濵野:最近多いのはヘアサロンや、ネイル、フェイシャルを行うビューティーサロン、あとは歯科医院です。

ブランディングからのご相談も多いということですが、具体的にどのように行っているのですか。

濵野:そもそもブランディングとは、その企業の価値を構築し、顧客との信頼関係を高めることです。それを空間として考えると、例えば企業のロゴや店名を見なくても、店内に入ってすぐ、どこのお店なのかわかる(競合企業との差別化)、どんなお店なのかイメージが伝わる(企業イメージの構築)ということです。 それが空間のブランディングを担った空間デザインとして、私たちが最も力を入れているポイントです。具体的には、クライアント様のイメージや方向性をリサーチし、クライアント様やお客様の意見を聞いて、それらをもとに “お客様のイメージ+α”をご提案します。私たちがお手伝いすることで、「こういう場所で仕事がしたい」というクライアント様の理想から、もう一歩踏み込んでいただける。のちに多店舗展開するケースも踏まえて、そんな空間デザインとともに、チラシやHPなど販促関係物の制作もお手伝いさせていただいております。

デザインするときに大事にしていることは何ですか。空間構成や色彩など、いろいろあると思いますが。

濵野:一番に気をつけていることは、自分たちの主観のみにならないようにすることです。最初にイメージを聞くだけ聞いて、デザインを押し付けるのではなく、お客様と一緒に練り上げていきます。だから敢えて素材などはこだわりを持たず、高級品でも普及品でも、時と場合によって臨機応変に使い分けます。お客様が考えていることに対し、プラスアルファのご提案をする「半歩先を実現していく」という意識を持って取り組んでいます。

仕事の進め方はどうでしょう。打ち合わせ頻度やプレゼン方法などを教えてください。

濵野:一番に気をつけていることは、自分たちの主観のみにならないようにすることです。最初にイメージを聞くだけ聞いて、デザインを押し付けるのではなく、お客様と一緒に練り上げていきます。だから敢えて素材などはこだわりを持たず、高級品でも普及品でも、時と場合によって臨機応変に使い分けます。お客様が考えていることに対し、プラスアルファのご提案をする「半歩先を実現していく」という意識を持って取り組んでいます。

仕事の進め方はどうでしょう。打ち合わせ頻度やプレゼン方法などを教えてください。

濵野:建築の種類やお客様によって変わってきますが、プレゼンテーションは基本的にCGを使っていて、場合によってはムービーも作ります。最初にイメージから入って内容を掴んでいただきたいので、図面のみで打ち合わせを進めていく、ということはないですね。そうすると、着工前にイメージがクライアント様はもとより、施工関係者にも確実にでき上がって、竣工までぶれることがなくなります。

パースをCGで、という建築事務所は多いですが、ムービー作成となると手間ではないですか。作成する条件はあるのでしょうか。

濵野:ムービーは、簡単に言えばCGの積み重ねなので、CGさえ作りこんでおけば、比較的短時間でできるんです。予算の額や規模ではなく、ムービーの方がよりお客様にご理解いただける、と思ったときに作成しています。最初の段階では軽く仕上げて、ヒアリングを重ねるごとに内容を濃くしていくので、必要があれば何度も作り直します。イメージが固まると、その後の打ち合わせ回数が減り、完成したものが「ムービーのイメージどおりだった!」と、ご満足いただけるので。

コストコントロールの点で工夫はありますか。予算が合わなかった場合、どのように対応していくのでしょう。

濵野:材料を調整するなどして決定したデザインを守り、実現していきます。予算が合わないから、決まっていた工務店を変える、といったことは基本的にはしません。

住宅は「坪いくら」、というように大枠の予算が出しやすいと思いますが、店舗の場合はいろいろな状況があると思います。たとえば、1000万円かかるデザインを700万円で、といわれることもありますね。

濵野:その場合、現場については施工会社がより詳しいので、材料を変更するアイデアを出してもらうなど、知恵を出し合って進めます。施工者と私たち、そしてお客様の、三位一体でやっていくことが基本ですから。

これまで手がけたもので、印象に残っている店舗を教えてください。

濵野:店舗のお仕事だと、大学を出て初めて携わった関西のビューティーサロンですね。予算があまりなかったので凝ったものではないんですが、空間の使い方をすべて任されたので……すごく頑張って(笑)、かなり印象深いです。

もし、そういったサロンをご自身で経営するなら、どんなお店にしたいですか。

濵野:収益を考えて空間を割り出すことが必要だと思いますが、自分がやるのであれば、25坪くらいに椅子がひとつ。大きい壁を折り紙のように重ねて、雨だったら閉じて晴れだったら開放するといった、空間を生かした“一人のための美容室”をやってみたいです。客単価は高いけど、最高のサービスとリラクゼーションを与えられるサロン。実はこの案でプレゼンしたことがあるんですが、「面白い」という声をいただきながらも、「採算が合わない」と通らなかった(笑)当たり前ですね。

それでは、濵野さんが訪れて気に入った店舗はありますか。

濵野:建築家としても大好きなのですが、ヘルツォークの手がけた青山のプラダですね。構造も含め、建築としてかなりのインパクトでした。

あのガラスの建築ですね。施工者泣かせの(笑)

濵野:そうですね(笑)でもすごく自由で、楽しいですよね。

尊敬する建築家やデザイナーの方はいらっしゃいますか。

濵野:昔ご活躍された方になりますが、白井晟一氏です。他にもいろいろありますが、都内でメジャーな作品は、東京タワー近くの、真っ黒い楕円の形をしたノアビル(東京都港区)。元書道家という変わった経歴をお持ちの、強いポリシーを持った建築家で、大好きです。

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