縁のある空間／カフェ・カフェバー

株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
「nana's green tea神戸ハーバーランド店」では、座敷が生まれ、屋内の生活が快適なった人々が、襖や壁面に風景や花鳥風月を描き、自然界に思いを寄せた心情をテーマに設計した。縁という言葉は「ふち」とも読み周囲を限る境界を意味する。 また、同時に「御縁がありますね」と言う様に、つながる意味も含まれる。 縁は外から区切ると同時に、庭（自然）とつなぐ役割も果たしている。
今回は、「縁」をテーマに設計し、店内に自然と茶室のあいまいな境界を表現した。実際に使った素材としては、透けていながら二面性を持つ境界とする為に、建築現場の養生シートとして使われる事が多いターポスクリーンの両面に異なる特殊なグラフィック印刷を施した。